野心作の岩の造形

岩の造形

広大な広場の前にそびえ立つ岩の造形は、長さは約600mを誇ります。高さは37mで10階建てビルの高さに相当します。併設された国際規格の運動場を眺める野外スタジアムのようですが、全体では巨大な神の座る椅子の形象をモチーフとしています。岩を寝かせて平らな面で積んだ下段と真ん中は椅子の座るところで、岩を立ててとんがった形で立てた上段は椅子の背もたれで、左右の下に立てた87tの岩は椅子の肘掛けの先端部分です。

岩は全て天然石、特に虎皮石を多く使用しています。この岩は虎の縞のような黒い縞模様があり、刃のように堅いことが特徴です。通常、地中深さ約40m掘り出される岩で、現在ではとても希少価値の高い岩となっています。

急勾配の斜面に、雄大な岩が垂直に立ち並ぶ姿は神秘的で、個性的な岩々が調和をなしている姿が美しく、見るものを魅了します。大きなスケール、希少な材料、急傾斜という立地、どの角度から見ても、驚き圧倒される大胆で意欲的な作品で、世界最上級の岩の造形と言えるでしょう。

最も大きい岩は約150トンで普通自動車150台分の重量があります。岩の造形としてこれほど大きな石を使ったものは他にありません。急傾斜という立地、スケール、材料など、どの角度から見ても他では類を見ない大胆で意欲的な作品で、世界最高の岩の造形と言えるでしょう。

建築の過程

野心作の作業は、初めから終わりまで3年がかかりました。5回の崩落の末に6回目に完成されました。作者は、壮絶な建築過程の中で「岩は崩れても、私の心は崩れなかった」という言葉を残しました。

また、作者は岩を人として見ました。様々な形をした岩一つ一つを運んできて積み上げる過程を、個性のある一人一人の命を救い出して個性通りに生かすように、真心を込めて立てながら「命を愛しなさい」と言う言葉を刻みました。

野心作の岩の造形を眺めていると作者の「最後まで」成し遂げる創作への揺るぎない信念と精神を生き生きと感じることができます。

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